平成26年12月22日、第4回下鴨サロン&第4回あおいサロン「日本の草分け 京都の手話通訳者と共に歩んで〜これからの手話通訳制度、聴覚障害者福祉を考える〜」を開催し、教職員・学生・京都府庁職員合わせて22名が参加しました。
今回のスピーカーには、本学文学部卒業生であり、現在、京都府乙訓教育局企画教育課主査の小森典(こもりふみ)さんををお招きしました。
前半は自己紹介とともに、手話との出会いと学生時代の活動についてお話しいただきました。大学入学と同時に国体のボランティアがきっかけで手話と出会い、その後もサークルや研究会に所属し、手話通訳士試験を受験するなど手話漬けの学生生活を送ってこられたということです。その中で出会う人々から聞いた聴覚障害者の暮らしの歴史や、通信手段が発達していない時代の苦労は「どれも感動してしまいます」と仰っていました。
後半は、京都府庁に入庁後、働きながら、全国手話通訳問題研究会にも所属し、聴覚障害者の暮らしの向上と手話通訳者制度の拡充のために活動されてきた道のりをお話し頂きました。また、障害者の権利に関する条例や手話通訳派遣をめぐる訴訟事例を紹介しながら、手話通訳制度の現状と課題についても説明頂きました。「京都府は手話通訳ができる職員を配置した全国初の自治体であり、研修で手話を学んだ職員数も多い。今後、聴覚障害者への情報保障の仕組みをどう作っていくか、職員同士が連携して一緒に考えてくれる仲間が増えるといいなと思います。」という言葉で締めくくられました。
講演後、参加者からは「手話を学びたいと思っているが、仕事や育児とどう両立をすればよいか」といった質問が寄せられ、丁寧な回答をいただきました。